思うこと

一昨年のこと、ある雑誌との共同企画でトワイライトエクスプレス車両をチャーターして走らせようと動いたことがありました。
結果的には出来なかったのですが、そのプロセスでいくつもの制約を知りました。

計画は、三本あるうちの一本を数日間チャーターし、九州から北海道までゆくものです。途中数カ所で停車し、観光をするというクルーズトレイン的運行をしようというものでした。

トワイライトエクスプレスは、ほぼ隔日の運行ですが、その合間にも団体用の臨時列車として運行していることはご承知のことと思います。
その団体臨枠の運用から都合してもらおうと思ったのですが、運用はかなりタイトに出来ていて、たしか3日を超えて別運用に入ると、トワイライト本体の運行に支障をきたすそうなのです。
厳しいローテーションで運行しているのですからそこは無理を言えません。
ならば、九州から北海道まで直行運用ならどうでしょう?と尋ねてみました。

実はコチラの方にもっと難儀な問題があったのです。
JR各社間の臨時列車というのは、二社を走る場合は相互の会社同士の話し合いで済むそうなのですが、三社以上をまたぐ場合には、JR全社会議を通さなければいけないという規定があるそうなのです。
もっとも、一応「民間企業」なのですから法的なものではなく「内規」や「国交省の指導」のようなものなのでしょうが、不思議な決めごとです。
「ヨソはヨソ、ウチはウチ的な空気もあり、そんなかで全体会議にはかるのが難しいらしいんですよ」
という代理店の方の話がトドメになりました。
結局、面倒だから(それは私なのか、代理店なのか、鉄道会社なのか、あるいはその複合なのかわかりませんが)沙汰止みになってしまったのは残念な限りです。

翻ってみれば、2010年3月にまとめて廃止となった「北陸」「能登」も複数社です。
国鉄民営化の時には、「各社を越えて走るブルートレインは今後も走らせます」と高らかに謳っていたのですが、それが徐々に下火となってきたのは、なにかこの辺に遠因があるようにも思えてしまいます。

論議より協調が重視される社会では、内輪で片付くことならいいけれど、他者を大勢集めての会議となると、余計に見えることはしないような力が働いてしまうことが多いように思います。
もちろんJRがそうなのかどうかは、部外者たる私にはわかりませんが。トワイライトを、サンライズを走らせた実績をもつJRグループなのです。そんなネガティブな会社ではないと、思っています。

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